土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」を読んでいます。
これは哲学書に近いと私は思っています。
レシピはあんまり出て来ません。食べるということは生活を続けていくことをシンプルに、丁寧に語りかけてくる本だと思います。
日本人は昔は晴れの日(特別な日)と毛の日(日常)をの料理は分けて考えていたけど、最近は普段でもあれこれ特別なものを食べてます。本当はもっとシンプルに暮らしたっていいんだよ、というメッセージが全編を通してのテーマですね。
一汁一菜とは、ただの「和食献立の勧め」ではありません。一汁一菜という「システム」であり、「思想」であり、「美学」であり日本人としての「生き方」だと思います。
料理の話もですが、洋服の話もそうなんだと思いました。
雑誌の特集で1ヶ月着まわしコーデなんて題名をよく見かけます。私も好きで時々読みますが、あんなに毎日違う着こなしは無理です。(・_・;
というか毎日違う着こなしをする必要があるでしょうか?
日本人は真面目なのでそういう記事があると毎日違う服を着なければいけないのではないか!?
雑誌で取り上げている流行の服を着なければいけないのではないか!?
と、ちょっと脅迫めいた思いを抱くこともあるかと思います。
でもそんな必要は全くないんです。
一汁一菜の本ではご飯とお味噌汁それに香の物がつけば毎日の食卓はオッケーという考え方です。
味噌汁ををベースに考えてそれに入れる具材はその時々、という考え方です。
洋服もベースを整えたらそれに時々のものを取り入れていけばいいだけのことなんだろうなあと。
で、もう一冊紹介したい本が。
土井さんの本のすぐ後に偶然手に取ったのですが、私の考えていたこととシンクロしていて嬉しくて。
野宮真貴さんの「おしゃれはほどほどでいい」という本です。
ピチカートファイブでボーカルをしていた方でおしゃれのある一時代を築いた方です。
(初めて存在を知った時になんておしゃれな人なんだろうとびっくりしました。自分と同じ人としての組成でできているなんてとても信じられませんでしたよ!)
この本の中で野宮さんんが土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」を読んでひとつ賢く生きる術を見つけられたようです。と書かれていました。
料理が苦手な私は「一汁一菜」という方を授かったことで、料理上手にならずとも、料理に対する苦手意識はなくなりました。
それをおしゃれに当てはめるならば、まずは「おしゃれの自分の型」を持つことでクリアできるはずです。
おしゃれも型を決めるととても楽になります。
そして野宮さんも一ヶ月着まわしコーデよりも、究極は毎日同じコーディネートで過ごしてもいい、と書かれていました!
そろそろ私たちは着こなしという呪縛から楽になってもいいんだと思います!